吉田麻也・遠藤航に依存したツケ
鎌田のリスタートから南野拓実がフリーでシュートに行った前半27分の場面、伊東の右クロスに鎌田がファーから飛び込んだ35分のシーンと、この2つの決定機をモノにできていたら、もちろん展開は変わっていた。が、決めきれなかったことで、相手に希望を与えてしまったのは確かだ。
「我々の強さは秩序立った守備ができること。日本は時間が経つごとにスペースができるので、そこを突くことを考えた」とカドリ監督が強調したように、前半は粘って耐え、日本代表が落ちてくる後半に勝負に出るという思惑だったということだろう。
案の定、日本代表は後半の早い段階で失点してしまう。後半9分に吉田がFWケニシを倒したのは痛かった。「あれは個人的なミス」とキャプテンは話したが、この日の彼は明らかに疲労困憊状態。森保監督が吉田と遠藤に依存したツケを払わされたという見方もできる。これをロムダンに決められると、日本代表は大きなダメージを受けた。
指揮官は三笘薫という切り札をいち早く投入し、局面打開を試みる。三笘が2人3人とドリブルで引き付けるが、作った数的優位を生かしきれない。中に折り返そうにもDF陣が確実にチェックに来ていたし、得たCKもゴールにつながらない。
たまにクロスが通っても、味方同士の連係や意思疎通が不十分なのか、古橋亨梧ら攻撃陣がシュートの打てるポジションに入り込めていない。そういったバラバラ感が目についた。
試合後に三笘はこう振り返る。