持ち味を発揮する新たな右ウイング
CBコンビとは別に、チームにアクセントを加えたのが右WGのマルコ・アセンシオだった。
これまでの3試合はサラビアまたはフェラン・トーレスが出場することがほとんどだったが、両者ともアセンシオのようにドリブルを仕掛けていくような選手ではなく、WGとして相手に脅威を与えるプレーが少なかった。
しかし、UEFAネーションズリーグ22/23グループリーグ初となるスタメン出場を果たしたアセンシオは、右サイドタッチラインに張って幅を取ることでDFを引き寄せ、カルロス・ソレールが走り込むスペースを何度も作り出した。また、味方とのパス交換や持ち味のドリブルなど、自らチャンスに絡むシーンも生み出している。
チェコ代表左SBのヴァーツラ・イェメルカとCBのヤクブ・ブラベツはアセンシオへの対応に戸惑いを見せた。マークにつけばスペースを与えてしまい、フリーにしてしまえばドリブルで仕掛けられてしまう。チェコ代表DFにとって、この日アセンシオの存在は非常に厄介だった。
スペイン代表は最初の2試合では苦戦するも、3試合目のスイス代表戦から徐々に本来のスタイルを取り戻しつつある。ネーションズリーグのグループリーグも残すところ2試合となった。果たして、9月に迎えるスイス代表戦、ポルトガル代表戦でもこの日のように実力を発揮してくれることに期待したい。
(文:瀬良垣エンソ)
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