ドイツ代表を封じた守備戦術
ハンガリー代表は、守備時5-2-3を採用。最終ラインに並ぶ5人は裏への抜け出しを警戒して構え、2-3の5人は相手のビルドアップを封じにかかっていた。
ドイツ代表が苦戦していたのは、この2-3の守備だ。ハンガリー代表は2-3の5角形を形成。前線の3人がドイツ代表の3バックをマークし、後ろの2人が中央でキミッヒとレオン・ゴレツカへの縦パスコースを消していた。
32分の場面でドイツ代表は、右サイドでボールを持ったティロ・ケーラーの縦パスをカットされると、相手DFのロングパスからシュロッターベックの裏を突かれ、あわやピンチという場面を作られている。
キミッヒら中盤の選手にパスを出せば相手MFに引っかかる。中盤を飛ばして最前線のヴェルナーの足元へパスを出すと、相手DFにインターセプトを狙われる。ビルドアップを封じられたドイツ代表は、CBからFWへのロングパスといった単調な攻撃しかできなくなっていた。
同点に追い付いた場面や72分には、ホフマンが相手DFの背後に抜け出したが、イングランド代表戦のような両WBを絡めた攻撃が出来たのはこの2回のみ。攻撃面でフリック監督の戦術は機能していなかった。
6本のシュートを放つも枠内を捉えたのは同点弾の1本のみ。90分通して解決策を見出せず、3戦連続引き分けという結果に終わってしまった。