久保建英は諸刃の剣。起用のリスクとは?
先制点は久保建英、堂安律、山根視来のコンビネーションから山根がゲットしている。3人の連動性と個性が表れたきれいなゴールだったが、再現性にはやや疑問も残った。
久保は球際で劣勢、ボールを失うことが多かった。久保を経由した攻め込みはチャンスにつながることもある半面、カウンターを食らうリスクもある諸刃の剣というのが現状だろう。右サイドで起点となった堂安律も半身のキープの仕方がコンタクトプレーになりやすく、そこでの強さが持ち味なのだが、コンタクトの強いガーナ代表相手だと奪われることもあった。
東京五輪で攻撃の軸だった久保、堂安の連係だが、攻撃の切り札とするには確実性が不足している。伊東純也と三笘のドリブル以外に武器はまだ見つかっていない。
チーム全体の戦い方は洗練されてきた。ただし、終盤に5分間ほど試した3-4-2-1の機能性、南野拓実をどう生かすか、冨安健洋をどのポジションで起用するかなど、まだよくわからないところも残っている。とくにドイツ代表を想定した場合のハイプレス回避については、2試合連続失点をみるかぎり不安が残るところではあった。
(文:西部謙司)