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日本代表 2年前

久保建英がW杯メンバー当確とは言えない理由。「原点回帰」で初ゴール、サッカー日本代表で生き残るのに必要なこととは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「長かった」日本代表初ゴール



 その言葉通り、堂安、山根視来との右のトライアングルの連係はスムーズだった。堂安が「タケ(久保)と一緒に出るのはワクワクした。隣にいるとドリブルしなくてもボールを渡して相手を動かして、相手を探るようなこともできる。出したいところにいてくれる」と東京五輪から積み上げてきた久保への特別な信頼感の通り、2人が巧みに位置を変えながら、効果的に攻めの起点を作っていた。

 そこに山根が絡んだ前半29分の先制点はまさにそれを象徴していた。山根から久保、堂安と渡った瞬間、山根がゴール前へ侵入。そこに鋭いスルーパスが通り、左足シュートという流れは見る者を魅了した。久保・堂安のセット起用がカタールW杯本番での攻撃オプションの1つになり得ることを感じさせたシーンだった。

 そして、久保自身も長い長いトンネルを超える瞬間が訪れた。それが後半28分の3点目だ。左の三笘薫の強引なドリブル突破からマイナスクロスが入ってきた瞬間、背番号11は迷うことなく左足を一閃。強烈なシュートをネットに突き刺した。

「いやあ、長かったですね。このまま一生入んないんじゃないかと思った」と試合後のテレビインタビューで偽らざる本音を吐露したが、2019年6月のエルサルバドル戦で代表デビューしてから初ゴールを挙げるまで3年以上の時間が要してしまった。

 18歳5日で初キャップを刻んだ当時は「史上最年少ゴールも時間の問題」と見られたが、その壁は想像以上に高く、代表レギュラーの座も思い描いたようにはつかめていない。足踏み状態に本人も苛立ち、悔しさを覚えたが、21歳になって「自分は特別な選手じゃない」と等身大の自分に戻れたのだろう。意識の変化が自然体のプレーにつながり、ようやく結果がついてきたのだ。

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