サッカー日本代表 最新ニュース
サッカー日本代表は6日、キリンチャレンジカップ2022でブラジル代表と対戦し、0-1で敗れた。試合は防戦一方で、ブラジル代表との間にはスコア以上の差が感じられた。かつてブンデスリーガのシュトゥットガルトでコーチを務め、ドイツの最先端理論を知る河岸貴氏はこの試合をどう見たのか。在独18年を超える気鋭の指導者が、ボール非保持時(守備)に抱える日本代表の問題を紐解く。(文:河岸貴、構成:加藤健一)
ブラジル代表戦で課題を露呈した日本代表
この試合から、その内容だけではなく、日本サッカー界全体的に言及すべき点は多岐にわたるだろう。誌面の関係上、今回は戦術的な問題にフォーカスし、さらに所謂「守備」に限定する。フットボール批評で連載中の現代サッカーの教科書でもあるように、攻守を分け考えることは本意ではありません。また、今回はこの連載を軸として論評している。
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まず、相手のブラジル代表がどういう状況だったかというのを前提として知っておく必要があります。試合中のネイマールの柔らかい表情からもわかる通り、ブラジル代表にとっては練習試合。日本代表はスパーリング相手程度でしょう。
私がヨーロッパにいて感じるのは、彼らのモチベーションは練習と試合では全然違います。日本人は練習から全力でやりますが、彼らは違う。火曜日(7日)夜のドイツ対イングランドの試合を観ても、ブラジル代表がもしこのパフォーマンスでワールドカップ本番に臨んだら非常に難しいレベルの内容だったはずです。
対する日本代表は当然全力で、現時点での森保一監督が思うベストメンバーで挑みました。この結果は森保ジャパンとしては最大値だったと思いますし、善戦したとも言えるでしょう。ただ、これでワールドカップに挑むとどういう結果になるというのは自ずと分かります。この結果の通り、ヨーロッパの強豪国と対戦しても希望は持てません。
ただ、チームとしての成熟度においては、アジアの中で見えなかったものが明確になった。ある意味でこれこそが収穫だったと思います。