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【写真:Getty Images】
鎌田大地がブラジル代表戦で感じたものとは?
サッカー日本代表は10日のキリンカップ初戦・ガーナ代表戦に向けて合宿を続けている。
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0-1で敗れたブラジル代表戦から2日経ち、出場した選手たちも経験や思考を十分に整理できてきているようだ。2日のパラグアイ代表戦から2試合連続でピッチに立ったMF鎌田大地は「フランクフルトでやっている、いつも通りのプレーができていると思います」と一定の手応えを得ているようだった。
一方で、ブラジル代表に対しては「ドイツ、スペインに比べてもワンランク上というか、現状では強いチームだと思う」と強烈な印象を抱いた。
「やっぱりブラジルは強いなと感じましたけど、自分たちがブラジルに比べてまだまだ劣っているのは試合をやる前から(わかっていて)、それは(ブラジル代表選手たちが)どこでプレーしているかを見れば歴然だった。ああいうチームがワールドカップ優勝を目標とするようなチームだと思います」
ブラジル代表は現在FIFAランキングで1位に立っている。そんな「ワールドカップ優勝を目標とするようなチーム」との対戦を通して世界トップとの距離を測った鎌田には、日本代表がカタールワールドカップのグループステージで対戦するドイツ代表やスペイン代表との距離感も見えてきている。
「UEFAネーションズリーグも観ていますけど、(ドイツやスペインは)ワールドカップで優勝した時に比べると今は苦戦はしている印象です。僕自身はブンデスリーガでやっていて、UEFAヨーロッパリーグ(EL)でスペインのチームとも試合をしましたけど、今の日本ならうまく戦えると思うし」
鎌田は今季、フランクフルトのEL制覇に大きく貢献した。国内リーグではドイツ代表選手たちとも日常的に対戦し、EL準決勝ではバルセロナを破ってもいる。そうした経験とブラジル代表戦での実感を踏まえて、「日本もうまく戦える」という考えに至っているのである。
ただ、厳しい戦いになるのは間違いない。おそらくブラジル戦と同様、ドイツ代表やスペイン代表にもボールを持たれる時間が長くなるだろう。守備で耐えて、カウンターを狙う形が勝ち点をもぎ取るための戦い方になる可能性が高い。
「ELでバルセロナと試合した時も(ボール支配率は)70数%対20数%でしたけど、シュート本数は自分たち(フランクフルト)の方が圧倒的に多かった試合もしている」という鎌田が、ドイツ代表やスペイン代表と渡り合うにあたって重要だと考えるのは「ボールの奪い方」だ。
「こういう(強い)相手だと、基本的にボールを持てない時間が多くなってくると思うし、ブラジル戦も僕たちがゴールキックからビルドアップすることは試みたと思うんですけど、ああいうレベルになると、僕たちだけじゃなく相手にとっても、きれいに崩すのは難しい。サッカーって基本的にそういうものだと思うんです。僕らちが後ろに引いた時だって、ブラジルも日本を崩せていなかった。
ブラジルがチャンスになった時もボールを奪って素早いショートカウンター。結局、ボールを奪ってからが一番スペースができて、チャンスができる。現代サッカーではそういう風潮になってると思います。
ボールを保持できる時は保持しますけど、格上のチームとやった時は、それよりも守備でいい奪い方をした時のショートカウンター。取ってからどれだけ速く相手のゴールに向かえるかが、すごい大事になってくると思います」
鎌田がドイツ代表やスペイン代表との距離感や戦い方をよりハッキリとイメージできているのは、欧州で日々積み上げてきた経験値があってこそ。それが「今の日本ならうまく戦える」という実感の正体だろう。
ブラジル代表戦の経験を通して、鎌田以外の選手たちもカタールワールドカップ本大会に向けて伸ばさなければいけないものを明確に意識できるようになったはず。ベスト8進出という目標を達成するためには、ブラジル代表戦をただの負けで終わらせることなく、チームとしての成長のきっかけにしたいところだ。
(取材・文:舩木渉)
【了】