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日本代表 2年前

「手ごたえを持てる」と言うものの…。サッカー日本代表がブラジル代表に突き付けられた実力差。解決策は?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka

「勝てる確率を増やしていかないと」



  そこで指揮官は前田大然、三笘薫、堂安律と持てるカードを次々と投入したが、決定的チャンスには至らない。三笘も試合途中にセンターバックから右サイドバックにスライドしたエデル・ミリトンに真っ向勝負に挑んだが、最終予選のようには抜き切れない。

「ミリトン選手のスピードが速いのは分かっていたけど、自分のドリブルがどれだけ通用するか知りたかった。でも2本くらい止められているので、それが実力というのが改めて分かった」と日本代表の切り札と言われるドリブラーは世界トップの壁に阻まれた。

 三笘、伊東といったスピードスターが局面を打開できなければ、ゴールにつなげるのは難しい。それは長友も指摘した点だ。

「最終的には個で剥がせないと勝つのは難しいと思います。もちろんサッカーなので、セットプレーやカウンターで取れたりとかもありますけど、実際に勝てる確率を増やしていかないとベスト8には行けない。最終的な意味で個の力を伸ばさないと難しい」と35歳の大ベテランはズバリと言い切ったのである。

 得点の脅威を感じさせられないからこそ、ラスト13分での失点という形になったのかもしれない。ブラジル代表のチッチ監督も均衡を破れない苦境を打開するため、ガブリエウ・ジェズスやリシャルリソンらを投入し、強引に日本代表をねじ伏せようとしてきたが、勝負の明暗を分けたのは、遠藤がリシャルリソンに対して与えたPKだった。

 これも、遠藤本人が「微妙な判定」と言うほど、ファウルか否か難しいところだったが、主審が格上チームに有利な判定を下すのは世界の常。同じようなことがカタールW杯のドイツ代表戦やスペイン代表戦で起きないとも限らない。しかもPKを得たら、ネイマールのような名手は確実に決めてくる。強豪国には必ずと言っていいほど頭抜けた存在がいる。それを完封しなければ、日本のグループリーグ突破、8強入りは叶わない。

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