ブラジル代表との力の差は4年前以上
アンカー・遠藤航と原口、田中碧の両インサイドハーフの献身的なサポートもあり、必死にブラジル攻撃陣についていく。ネイマールが浮いたポジションを取るため、原口が時折チェックし、その背後にいる板倉が激しいマークでつぶしにいくなど、タイトな守りで相手を苛立たせた。
そして伊東純也と長友の縦関係を軸に攻め上がりを見せたが、決定機を作るには至らない。日本代表の初シュートは23分の左CKからの遠藤のヘッドという状況。最前線の古橋がボールを触る機会は皆無に近く、守備に忙殺される一方だった。
前半終了時点でのシュート数は日本代表の1本に対し、ブラジル代表は12本。2018年ロシアW杯・ベルギー戦でも前半は圧倒され、何とか耐える展開を強いられたが、4年前以上の力の差が感じられた。
それでも、森保一監督は下剋上を起こす気満々だった。象徴的だったのが、後半頭の鎌田大地の投入。原口の守備の強度と前への推進力は効いていたが、鎌田の方が創造性とアイディアがある。そこを買ったのだろう。
実際、後半になってからは日本代表がボールを持てる時間も増え、ビルドアップに行ける回数も多くなった。そのチャレンジ自体は前向きに捉えていい。だが、「後半は前への意識がちょっと薄まってしまった。チームとしてボールを持つ意識がありすぎた」と遠藤が反省するように、保持率が上がってもゴール前の脅威は高まらなかった。