ハイプレスの効力は?
対強豪国という意味でポイントを絞ると、第一には日本代表の敵陣でのプレッシングがどれほどの効果をあげられるか。
相手のゴールキックからのビルドアップを阻止できなければ、ミドルプレスに移行するしかなくなり、そうなると強豪相手では実質的に押し込まれる。押し込まれるならまだいいが、ハイプレスを外された結果カウンター気味に攻め込まれる。
昨年のユーロ(欧州選手権)を見ると、強豪国に対して中堅以下のチームはハイプレスを行っていない。全くしないわけではないが基本的には引いてブロックを作る守備を選択していた。奪いにいっても奪えないとわかっているからだ。失点のリスクを高めるのでハイプレスはかなり抑制的だった。強豪同士でも奪えない事情はさして変わらないので、UEFAネーションズリーグでスペイン代表と対戦したフランス代表もハイプレスは限定的にしか行っていなかった。
ブラジル代表に対する日本代表のプレスは効果的とまではいえないものの、後半にはロングボールを蹴らせて回収した場面も複数あり無力ではなかった。プレスを外されて攻め込まれるリスクとの兼ね合いをどう考えるかだが、引いてしまえばまず勝機はない。ハイプレスが無力でなかったのは収穫だった。