ドイツの狙いとは?
フリック率いる現在のドイツ代表はヨアヒム・レーヴが率いていたユーロ2020までの代表チームとは異なり、「ハイプレス・ハイライン」の現代サッカーのトレンドを取り入れたサッカーを展開している。SBのポジションに入ったベンジャミン・ヘンリヒス、ティロ・ケーラーの両選手も相手SBのところまで捕まえにいくなど強度の高いハイプレスを徹底していた。
この前線からの守備に対し、イタリア代表は最終ラインからのビルドアップに苦戦。細かいパスではドイツのプレスをはがせなかったため、スカマッカを裏に走らせ、そこにロングボールを送る形が増えた。左SBのケーラーは若干ラインコントロールに苦戦していたが、計7回のオフサイドを記録するなど守備の形はドイツの狙い通りとなっていた。
一方の攻撃はイタリアの守備の陣形が整う前に完結する速攻を仕掛け、ティモ・ヴェルナーやニャブリ、サネらのスピードを活かしたプレーが目立った。また、彼らで深さを取り、バイタルでフリーとなったゴレツカやキミッヒがミドルシュートを放ち、ゴールに迫る場面も多かった。
今節は1-1のドローとなったが、フリック監督が志向するサッカーのスタイルはチームとしては既に浸透しつつあり、指揮を執り始めてから1年足らずでチームが目指す方向性は明快になっていた。