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日本代表 2年前

伊藤洋輝が解消しうるサッカー日本代表の構造的欠陥。鎌田大地&原口元気がパラグアイ代表戦で躍動したメカニズムとは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 龍岡歩 photo by Shinya Tanaka

伊藤洋輝は日本代表の問題を解決しうるのか?



 翻ってパラグアイ戦の日本代表はこの構造的問題が全てクリアになっていた。3トップは右の堂安、左の三笘がしっかりとタッチライン際まで開いて幅を取ってくれる。左SBには左利きの伊藤洋輝が初招集ながらいきなりスタメンに名を連ねた。所属するシュツットガルトでは勿論、元来CBの伊藤洋輝を左SBに抜擢した点からも、森保監督が左サイドの問題解決に動いている狙いは感じ取れる。

 パラグアイ代表戦ではビルドアップが左サイドで詰まりそうになった場面で伊藤の左足のサイドチェンジによって綺麗に右サイドへと展開される場面が一度ならず見られた。日本代表の先制点も伊藤の精度の高いロングフィードが起点となっている。更にCB吉田からのパスを左足に置いて前を向けるので、前線にいる三笘への展開もスムーズになるというメリットも大きい。

 持ち味を存分に発揮した伊藤は、日本代表の左サイドが抱えていた問題を解決しうるタレントとして一気にメンバーリストに浮上してきたといっても過言ではないだろう。試合展開の都合上、守備の場面は数えるほどであったが、もし次のブラジル戦でもテストされるようであれば注目に値するタレントだ。なにより188cmの大型SB誕生は、W杯本戦で世界の大型FW相手にクロス対応の場面で大きな違いを生む可能性が高い。

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