パラグアイ相手ならできて当たり前
結局、後半15分に三笘の3点目が生まれた直後に原口が下がったため、2人のコンビは60分程度で終了したが、短時間でお互いの感覚をすり合わせていけたのは、今後に向けて大きなプラスとなりそうだ。
実際、ドイツで8シーズンを過ごした原口とベルギーとドイツで計5シーズンを戦い抜いた鎌田は「世界基準の強度と鋭さ」が体に染みついている。
今回のパラグアイはそこまでの激しさを示してこなかったが、6日に対戦するブラジル代表やW杯本番で対峙するドイツ代表やスペイン代表ははるかにレベルが高い。その高い水準で中盤から攻撃の推進力や迫力を出していくのも、この2人なら実践できそうな経験値がある。その一端が垣間見えたのは、森保監督にとっても朗報だ。
「(ボランチタイプの)碧と守田君よりも自分たちは攻撃的な選手だし、僕らが出て攻撃レベルが上がらなかったら意味がない。お互いの長所があるので当然のことだと思います」と鎌田は淡々としていた。UEFAヨーロッパリーグでバルセロナやウェストハムと互角以上に渡り合ってきた男にしてみれば「今回のパラグアイ相手ならできて当たり前」という感覚だったに違いない。
それはドイツでバイエルンやドルトムントに何度もぶつかり、4年前のロシアW杯でベルギー代表と死闘を演じた原口にしても同じ。2人にしてみれば「もっと強い相手に何ができるか」が真のテーマなのだろう。