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Jリーグ 2年前

いよいよ覚醒か。“96年世代の先駆者”が鹿島アントラーズ撃破の原動力に。FC東京の背番号23が制した駆け引きとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

修正を施したFC東京で躍動する背番号23



 指揮官の狙いは、まず左インサイドハーフ・松木玖生をアンカー・青木拓矢の脇に下げて数的優位を作り、ワンボランチ気味になる樋口雄太のところに安部柊斗と渡邊を配置してゴールチャンスを伺うというものだった。それがズバリ的中。FC東京は中央のスペースを効果的に使いながら前に出られるようになった。

 さらに大きかったのが、頭抜けた推進力を誇る左ウイング・アダイウトンの存在。鹿島守備陣は彼に引っ張られてフォローが遅れる。超過密日程による運動量・強度の低下も重なり、綻びも目立つようになる。FC東京はじわじわとペースを握っていったのだ。

 迎えた前半33分。ポルトガル1部・ギマラエスへのレンタル移籍が決まり、この日がホーム最終戦となった小川諒也のパスが先制点のきっかけとなる。中寄りの位置でボールを受けた渡邊はディエゴ・オリヴェイラとのワンツーからペナルティエリア右側に侵入。安西をあざ笑うかのように右足を一閃して値千金のゴールを挙げた。

 さらに42分にも背番号23が強烈なインパクトを残す。アダイウトンの弾丸スピードに鹿島のブエノがついていけず、三竿健斗らのカバーも中途半端になったところを逃さず、ディエゴ・オリヴェイラにいい形でボールが入った。彼がタメを作る間に渡邊はガラ空きになっていたペナルティエリア右側に侵入。迷わず右足シュートを蹴り込み、前半だけで2点のリードを奪ったのである。

「GKとの駆け引きに勝てたゴールだった。GKの頭には(1点目に決めた)ニアがあると思ったので、(2点目は)ニアに蹴るふりをしてファーに打った。それがうまくハマった2点だったと思います」と本人もしてやったりの表情を浮かべた。

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