2位:メスト・エジル
【写真:Getty Images】
生年月日:1988年10月15日
移籍金:4700万ユーロ(約64億円)
在籍期間:13年夏~21年冬
リーグ戦成績:184試合33得点58アシスト
2013年、レアル・マドリードから4700万ユーロ(約64億円)という移籍金でやって来たメスト・エジルは、チームに新たな可能性をもたらしていた。1年目から主力に躍り出ると、プレミアリーグではいきなり二桁アシストをマーク。さらにFAカップでも活躍し、アーセナルを頂点へと導いている。なお、同クラブにとってはこれが実に2004/05シーズン以来となるタイトルだった。
当時世界最高の司令塔と言っても過言ではなかったエジルの存在感は、そこからどんどん増している。2年目は怪我に悩まされる時期もあったが、3年目にはプレミアリーグだけで19アシストという驚異的な数字をマークしてアーセナルを2004/05シーズン以降最高となる2位に導き、サポーター投票によるクラブ年間最優秀選手に選出。2018/19シーズンには背番号を伝統ある「10」に変更し、プレミアリーグにおけるドイツ人選手歴代最多得点記録も更新した。
とにかくプレー一つひとつが芸術的で、左足から繰り出される繊細なラストパスはスタジアムに足を運ぶ多くの人を魅了。アレクシス・サンチェスやサンティ・カソルラといった選手との相性も抜群で、彼らのコンビネーションは他クラブにとっての大きな脅威となっていた。2016/17シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)・ルドゴレツ戦で魅せたGKとDF2人を完全無力化したゴールは今でも多くの人の記憶に残っているなど、エジルは間違いなくアーセナルの“中心”にいた。
ヴェンゲル監督の後を継いだウナイ・エメリ監督の下で構想外となり、今季もヨーロッパリーグ(EL)とプレミアリーグ両方の登録リストから外れるなど、エジルはネガティブなイメージを払拭できぬままフェネルバフチェへ旅立った。ただ、彼がいなければ、アーセナルが2004/05シーズン以来のタイトルをとったり、2015/16シーズンにレスターと優勝争いを繰り広げたりすることはできなかったはず。素晴らしい補強だったと言えるだろう。