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Jリーグ 3年前

酒井高徳、12分超の苦言。ヴィッセル神戸は「頭が寝てた選手が何人かいた」、事態は3年前より深刻に…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

巻き返しを図るロティーナ采配



 こうした中、湘南はワンチャンスをモノにする。前半40分、ペナルティエリア手前まで上がった左DFの杉岡大輝が強烈な左足シュートをお見舞い。これをGK前川黛也が弾いたところに詰めたのが町野修斗。理想的な時間帯の先制点は神戸を苦しめた。

 このまま終われないロティーナ監督は巻き返しを図るべく、後半開始時に2枚替え。初瀬亮と小田裕太郎を投入すると同時に、酒井高徳と右に回し、彼と小田の縦関係から崩しを増やそうと試みた。

 その狙い通り、攻撃が活性化しかけた矢先の51分、入ったばかりの初瀬が不用意なバックパスをしてしまう。小林友希が反応できずに棒立ちになったところで反応したのは町野。彼はボールを拾い、一気にゴールに突き刺したのだ。まさかのミスに指揮官も酒井らチームメートも唖然とするしかなかっただろう。

 それでも神戸は気を取り直してギアを上げ、CKから菊池流帆が1点を返し、追撃態勢に入った。途中から入ったボージャン・クルキッチもドリブルで巧みな仕掛けを見せ、イニエスタも前線にチャンスボールを供給するなど、敵陣に迫った。が、湘南の強固な守備ブロックを崩しきれない。武藤嘉紀の決定機も谷晃生のスーパーセーブに防がれてしまった。

 焦燥感を募らせる彼らは6分間のロスタイムに菊池らを前に上げ、なりふり構わぬ攻めに出た。それが奏功し、最後の最後に好位置でのFKを得る。キッカーはもちろんイニエスタ。名手が右足で蹴ったシュートはゴール左隅を突き刺し、2-2の同点かと思われた。だが、VARチェックの結果、武藤の手に当たったと見なされ、ハンドでノーゴールとなった。

 神戸の面々は納得できず、イニエスタが主審に猛抗議をし、ロティーナ監督も仲裁でピッチに入る混乱状態に陥ったが、判定は覆らない。結局、試合は2-1で湘南の勝利。神戸は最下位転落という最悪の現実を突きつけられた。

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