冨安がいれば…
【写真:Getty Images】
直近2試合で冨安健洋は左サイドバックを任されていたが、この試合では右サイドバックでスタメン出場。ニューカッスルのエース、アラン・サン=マクシマンのマークを任された。
対人守備に定評のある冨安は、プレミア屈指のドリブラー相手に粘り強い守備で何とか付いていき、自由を与えていなかった。
また、ベン・ホワイトがプレスに出た際は瞬時にカバーに入るなど、試合序盤からバタついたチームを支えていた。しかし、38分にアクシデント発生。冨安は右のハムストリングを抑えながらピッチに倒れ込み、負傷交代となってしまった。
冨安がピッチを去った後、アーセナルは後半に右サイドからチャンスを作られて2失点を喫したが、日本代表DFがフル出場していたら結果は変わっていたかもしれない。
データサイト『WhoScored.com』によると、冨安が出場していた38分まではニューカッスルのシュート3本に対してアーセナルは6本をマーク。ボール保持率は29%と相手を下回っていたが、空中戦勝利数とタックル数では相手を上回るなど、カウンターからチャンスを作れていた。
しかし、冨安が交代して以降は、ニューカッスルのシュート13本に対してアーセナルは5本。ボール保持率は65%と相手を上回ったが、空中戦勝利数とタックル数を相手を下回るなど、戦況が完全に逆転している。
データを見ても冨安の交代がターニングポイントだったことは明らかだ。プレミアリーグは残すところ後1節。アーセナルは2連敗により、4位トッテナムと勝ち点差「2」の5位となっている。得失点差を考えると、事実上アーセナルがCLに出場するためには最終節に勝利した上で、トッテナムが負ける必要がある。果たしてアーセナルは来季のCL出場権を獲得することができるだろうか。
(文:阿部勝教)