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リバプールには秘策があった。PK戦で掴んだ2冠。クロップ監督が勝負強さを植え付けた方法とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

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FAカップ決勝戦、リバプール対チェルシーが現地時間14日に行われ、PK戦の末リバプールが勝利している。ゴールポストに嫌われたり、モハメド・サラーやフィルジル・ファン・ダイクが負傷交代を余儀なくされるなど追い風が吹いていなかったようにも思えたリバプールだが、なぜ優勝を飾ることができたのか。(文:本田千尋)


PK戦までもつれ込む死闘

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【写真:Getty Images】

 戦士たちが次々とピッチを去っても、チームは崩れなかった。

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 現地時間14日に行われたFAカップの決勝戦。ウェンブリー・スタジアムでリバプールとチェルシーが激突したファイナルは、90分間で決着がつかず、延長戦にもつれ込む死闘となった。

 前半からレッズの選手たちがボールを保持して優勢に試合を進めたが、中央でチアゴ・シウバが引き締めるチェルシーの固いディフェンスをなかなか崩せない。83分のルイス・ディアスのシュートや、84分のアンドリュー・ロバートソンのシュートがポストに嫌われるなど、リバプールは、どこか運に恵まれなかった。

 さらには、ここに来て主軸が次々と離脱。33分にモハメド・サラーが、90分を終えた時点でフィルジル・ファン・ダイクが負傷交代した。そもそもファビーニョが怪我でメンバー外となっており、ちょっとした野戦病院と化したレッズに、追い風が吹いているとは言い難かった。

 それでもロンドン北西部にある“聖地”で繰り広げられた激闘を制したのは、リバプール。延長戦でも決着がつかなかった死闘はPK戦にもつれ込んだが、2人目のセサル・アスピリクエタと7人目のメイソン・マウントが失敗したチェルシーに対して、失敗したレッズの戦士は5人目のサディオ・マネのみ。最後はコスタス・ツィミカスが冷静に決め切って、リバプールが世界最古のカップ戦を制した。

 なぜレッズの戦士たちは、決して良い流れではなかったにもかかわらず、PK戦を制してチェルシーに競り勝つことができたのだろうか。

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