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セルティックで技を磨いた古橋亨梧。驚異的な成績で終えた1年目。絶対的エースの高度なテクニックと駆け引きとは?【分析コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「我々は決して立ち止まらない」

アンジェ・ポステコグルー
【写真:Getty Images】



 ポステコグルー監督はシーズン最終戦を終えて「信じられないほど素晴らしいグループだった。まさしくスコットランドのチャンピオンにふさわしい」とチームのこれまでの歩みを誇った。

 マリノス時代も「どんな時も自分たちのサッカーは変わらない」「誰が出ても同じサッカーができるように」と言い続けていた“ボス”は、スコットランドでも自らの信念を貫き通して理想的なチームを作り上げた。

 そして、ポステコグルー監督が連れてきた日本人選手たちの貢献も見逃せない。特に古橋は特別な存在だった。非常に高い水準が求められる環境で、誰からも認められるエースストライカーとなったのである。

 Jリーグ時代も猛威を振るっていたディフェンスラインの背後への飛び出しに磨きをかけ、欧州の屈強なDFたちに揉まれながら駆け引きやフィニッシュの精度を急速に伸ばしていった。もし約4ヶ月にわたる負傷離脱期間がなければ、リーグ得点王は間違いなく古橋だったはずだ。

 欧州挑戦1年目で、シーズンの約半分を棒に振る長期離脱もありながら公式戦33試合出場20得点5アシスト。欧州5大リーグに比べればリーグ戦の競争レベルはやや落ちるかもしれないが、それでも驚異的な成績と言えよう。

 もし一度も離脱することなく公式戦60試合全てでピッチに立てていたら、年間40得点も夢ではなかった計算になる。

 新監督によるチーム作りの方向性と、集まった選手の能力やキャラクターがうまく噛み合って60試合と過酷なシーズンを乗り切って2つのタイトルを獲得できた。セルティックのポステコグルー体制1年目は、ポジティブな雰囲気とともに幕を閉じた。

「今日はみんなに楽しんでもらい、それから夏を楽しんできてほしい。我々はさらに大きく、強くなって戻ってくる。我々は決して立ち止まらないのだから」

 指揮官はそう力強く語ってシーズンを締めた。リーグ優勝とリーグカップ制覇だけでは満足していない。2年目になる来季は、もっと大きなものを狙っているのだろう。UEFAチャンピオンズリーグの舞台にも挑むシーズン、日本人選手たちとともにどんな戦いを見せてくれるか楽しみだ。

(文:舩木渉)

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