迅速な采配を見せたスキッベ監督
前半45分間のシュートは浦和の5本に対し、広島は9本。数字的に上回ったが、スキッベ監督は「中盤が今一つ機能していない」と判断し、警告を受けたベンカリファを下げ、松本泰志を投入。これまでの基本布陣である3-4-2-1に戻して後半を戦った。これにより満田と森島の2シャドーはよりスムーズにプレスに行くことができるようになったという。
一方で、後半に入ってギアを一段階上げてきた浦和もゴールに襲い掛かる。ダヴィド・モーベルグが後半10分に放った左足シュートなどは得点になってもおかしくなかったが、守護神・大迫のナイスセーブでゴールを割らせない。直後の16分には江坂任、キャスパー・ユンカーの攻撃カード2枚が出てきて、浦和の攻撃圧力はさらにアップ。江坂も強烈シュートを何本もお見舞いしたが、広島の粘り強い守備組織は崩れなかった。
そのうえで得点への意欲を示し続け、松本のミドルシュートのこぼれ球に満田が詰めた後半24分の得点機、松本の右クロスに柏が飛び込んだ34分のビッグチャンスなど、点の取れそうなシーンを何度も作った。最終的には0-0で終了し、白星こそお預けになったが、スキッベ監督は「レベルの高い2チームが競い合った素晴らしい展開だった」と一定の満足感を口にしていた。