冬にも積極的な補強を続行
オーストラリア人指揮官はまず、Jリーグ時代から高く評価していたFW古橋亨梧ら「アタッキング・フットボール」に適応できると判断した選手を次々に獲得してチームを作っていった。さらに移籍市場閉幕ギリギリにも、DFヨシプ・ユラノヴィッチやFWジョタ、DFキャメロン・カーター=ヴィッカースなど、のちに重要戦力となる選手を加えた。
昨年9月頭の時点で10人の新加入選手がセルティックの一員となるが、それでもまだ終わりではない。冬の移籍市場でも積極的な動きを見せる。
スコットランドではリーグ戦に加えて国内カップ戦が2つあり、セルティックの場合は欧州カップ戦も戦わねばならない。年間を通して基本的に週2試合をこなす過密日程になるため、それを乗り切るための選手数も必要になる。
ポステコグルー監督は負傷者の穴を埋めたうえで冬の移籍市場でアタッキング・フットボールをアップデートすべく、完成しつつあった戦術にもすぐ適応できるであろう4人の新戦力を迎えた。
後半戦の鍵となる人材がまさしく3人の日本人選手だったわけだ。もちろん川崎フロンターレのMF旗手怜央やガンバ大阪のMF井手口陽介、横浜F・マリノスで重用していたFW前田大然は、監督がJリーグ時代から特徴を熟知していた選手たち。さらにイングランド3部のMKドンズでくすぶっていた天才肌のMFマット・オライリーも引き抜いてきた。
これで2021/22シーズンの新戦力は14人に。最終的に彼らの中で出番が少なかったのは井手口とMFジェームズ・マッカーシーくらいで、他の12人はチームのキープレーヤーとして随所で重要な役割を果たした。
ポステコグルー監督は補強にあたって、自らが「ゴー」を出した選手でなければ獲得に動くことを認めない。マリノス時代に獲得した全ての選手がそうであったように、セルティックでも自分の目でプレーを確認してチームにマッチするか慎重に見極めた上で契約しているはず。だからこそ「ハズレ」が少ない。
今季新加入のアタッカーが残した結果だけを見ても、新任監督の選手を見る目がいかに確かだったかがよくわかる。11日のダンディー・ユナイテッド戦でもゴールを挙げたFWギオルゴス・ジャコマキスを筆頭に、古橋やアバダがリーグ戦で二桁得点を達成。ベンフィカから借り受けたジョタもリーグ戦で9得点11アシストと大ブレイクし、冬に加入した前田が6得点、旗手は4得点3アシストを記録した。