勝利できた要因
試合開始早々に失点を喫してしまったため、あのまま主導権を握られていたら、逆転は難しい状況になっていたかもしれない。失点からわずか3分で同点に追い付いたことは、大きなターニングポイントだった。
勝つことができた要因は、後半から見せた3トップの流動性にあった。前半は左にディオゴ・ジョタ、中央にマネ、右にルイス・ディアスという配置がほとんど変わらなかった。32分には、ジョタが中央でパスを受けると斜めに走り込んできたルイス・ディアスにパスを通し、最後はマネがゴールネットを揺らすといった場面があったが、前半で3トップ全員が絡んだチャンスはほとんどなく、アストン・ヴィラはかなり守りやすかったはずだ。
だが、後半に入ると3トップが目まぐるしくポジションを変更。両ウイングが積極的に中央まで絞ってボールを受け、空いたサイドのスペースにマネが入るといったシーンが多く見られた。
こうしたポジション変更で相手にマークを絞らせず、前線3人がフリーとなる場面が増えると、65分にピッチ中央でフリーになっていたジョタの浮き球のパスからルイス・ディアスが抜け出し、背番号23の見事なクロスにマネが頭で合わせて逆転に成功している。
ハーフタイムにユルゲン・クロップ監督からの指示があったのかもしれないが、戦況に応じた戦術の変更とそれに対するチームの連係は見事だった。