苦戦を強いられたもう一つの要因は…
そして、苦戦を強いられたもう一つの要因がトッテナムの縦に速い攻撃だ。打たれたシュートは8本と少ないが、あと1、2点決められていてもおかしくなかった。
12分の場面では、アーノルドのクロスを弾かれると、セカンドボールを拾ったデヤン・クルゼフスキから裏へ走ったピエール・エミール・ホイビュルクにロングパスを通され、決定機を作られた。
さらに、43分には相手のゴール前でボールを奪われると、クリスティアン・ロメロ→ケイン→ソン・フンミンとわずか2本のパスでペナルティーエリア手間まで運ばれ、最後は遅れて上がってきたホイビュルクにゴールポスト直撃の際どいシュートを浴びた。トッテナムのカウンターはどれも脅威となっていた。
また、トッテナムはボールを保持している際は、3トップの両ウイングが中央寄りにポジショニング。これにリバプールの両サイドバックを引き付けられ、空いたサイドのスペースに走り込んだウイングバックにロングパスを通されてチャンスを作られていた。
とにかく縦への意識が徹底されていた。失点した場面ではエメルソン・ロイヤルがウーゴ・ロリスからロングパスを受けると、即座にケインへパスを送る。2本のロングパスでハイプレスを掻い潜られると、左サイドを駆け上がってきたライアン・セセニョンにパスを通され、ダイレクトで上げたクロスをソン・フンミンに決められている。
ホームで痛恨のドローとなってしまったが、まだ逆転優勝の可能性は残されている。首位マンCの結果に左右されることにはなるが、4冠の可能性を残すリバプールは、果たしてリーグ制覇を成し遂げることが出来るだろうか。
(文:阿部勝教)
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