存在感を放った2人のベテラン
先述したようにこの試合でマンUは大勝を収めたが、様々な局面でチームを支えていたのは、ネマニャ・マティッチとマタの2人のベテランだろう。
トップ下に入ったマタはブルーノ・フェルナンデスと流動的にポジションを変え、ボールサイドに積極的に顔を出してゲームをコントロールしていた。
C・ロナウドらとの関係性も良く、26分の場面ではペナルティーエリア手前で絶妙なダイレクトパスを配球し、チャンスを演出。44分にはVAR(ビデオアシスタントレフェリー)のチェックの末にオフサイドの判定となり、ゴールが認められなかったが、見事な裏への抜け出しから決定機を演出した。
また、ダブルボランチの一角として出場したマティッチはピッチ中央でバランスを取り、チームに安定感をもたらしていた。
同選手は71分にピッチを退いたが、データサイト『WhoScored.com』によると、タッチ数はチーム内3位となる95回、パス成功率は95%を記録。さらに、2度のタックルで相手の攻撃の芽を摘むなど、攻守でチームを支えていた。
リーグ戦4試合ぶりの勝利に大きく貢献した2人だが、マティッチはシーズン終了後に退団。マタは今季いっぱいで契約満了となるが、この試合を見る限りそのプレーはまだまだ健在だ。
今シーズンも残りわずか。マンUがCLやヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得するためには、このベテラン2人の力が必要になるだろう。
(文:阿部勝教)