横浜F・マリノス 最新ニュース
【写真:Getty Images】
喜田拓也が誇るマリノスファミリーの力
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第6節が1日に行われ、横浜F・マリノスと全北現代モータースは1-1の引き分けに終わった。
【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴】
この結果によりマリノスはグループ首位での決勝トーナメント進出が決定。キャプテンを務めるMF喜田拓也は「日程も環境も込みでタフな環境の中で、これだけチーム全体でタフに戦い抜いたのは次につながると思う」とグループステージ突破に安堵しているようだった。
「僕らは紛れもなく一番上を目指してやってきているので、その(戦いを続ける)権利を自分たちの手でつかみ取ったという意味では価値があったと思うし、何も言い訳することなく……本当にいい時だけ僕らは『マリノスファミリー』と言いたいわけじゃない。
こういう苦しい戦いもあったし、こういう厳しい戦いに身を置いても、これだけつながって戦えるというのは証明できたと思います。こういうところに来て真の力が試されるなと思ったし、それを日頃からやっぱり意識してやっているからこそ、1位突破という結果もそうだし、バタバタせず戦えることにつながった。それがチーム力かなと思います」
中2日での6連戦を4勝1分1敗で終えた。ほぼ2チーム分を作ってのターンオーバー制を敷きながら、決勝トーナメント進出に十分な勝ち点を積み上げられたことがチームとして成長した証だろう。
「チームが勝つためにベンチの選手やベンチ外の選手がすごく声をかけてくれた。サポーターの人も含めて、ああいう人たちの存在や声かけが、本当に最後の一歩を頑張らせてくれたと、本当にこれは僕から伝えたいというのがあります。
終わってからも労いの言葉をかけてくれたけど、こっちが『ありがとう』と言いたいし、ピッチに立っていてキツいとかそんなことが頭を支配していたのではなくて、彼らの本当に助けになりたい、力になりたいという思いしかなかったから、そうやって1位突破という結果をみんなでつかみ取れたのは、また次につながるんじゃないかと思います」
取材を続けていると、いつも落ち着いている喜田がやや興奮している様子なのが見て取れた。「チーム」というのはピッチに立っている11人だけを指すものではなく、「ファミリー」とはクラブに関わる全ての人間のことを意味するのだと、喜田はこのACLグループステージを通して強く実感したようだ。
グループステージ最終節には今大会で最も多くのファン・サポーターがベトナムに駆けつけ、声援を送っていた。日本ではまだスタジアムでの声出し応援が解禁されていないが、ベトナムでは応援に制限がない。約2年ぶりにファン・サポーターの歌声を聴きながら戦えたことも、マリノスの決勝トーナメントを間違いなく大きく後押しした。
喜田は言う。
「あんなに(たくさんの)人数が来ているって本当びっくりだし、本当にみなさんのマリノスへの愛みたいなものを直で感じ取れて、(選手たち)みんな言っていたけど鳥肌モノだし、もちろん声を聞けたとかもあるけど、そういう姿勢が自分たちに響くものもある。
いつでも戦っているのは僕たちだけじゃないなと感じさせてくれるのがマリノスのファン・サポーターだと思っているので、彼らに本当にいい思いをして帰ってほしいというのは大会を通じてみんな言っていた。少しは誇って帰ってもらえるんじゃないかなと思います」
日本へ帰ったら、今度はすぐにJリーグでの戦いが再開する。ACLに限らず、普段のリーグ戦でも困難な場面はたくさんあるだろう。それらを乗り越えるための基盤を、マリノスはベトナムの地でさらに大きくした。
喜田は「本当にいい時だけじゃなくて、どんな時も1つになって…というのは言葉ほど簡単なものじゃないけど、このチームならできると思っているので、またみんなと進んでいきたいと思います」と、これからも続く戦いへの意気込みを語る。
ACLもグループステージを突破して終わりではない。アジアの頂点を目指す戦いは、これからもまだまだ続く。
(取材・文:舩木渉)