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前田大然は精度が少し足りない。セルティックで厳しい指摘を受けたプレーとは?【分析コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

2年ぶりのリーグ優勝まであと一歩



 結局、ハーフタイムまではいい流れで試合を進めていたセルティックは後半になると時間とともにレンジャーズに主導権を握られるようになり、67分に失点。終盤の猛攻はGKジョー・ハートを中心とした粘り強い守備で何とか耐え忍んだものの、最後はドローに持ち込むのが精一杯だった。

 FW古橋亨梧や旗手がそうだったように、レンジャーズ戦で勝利に直結するゴールを奪うことには大きな意味がある。リーグタイトルを手繰り寄せるようなゴールであればなおさらだ。前田は攻守において信頼される理由を示したが、絶対的な信用を得るにはあと一歩、より具体的に言えば緊張感の増すゴール前での精度がほんの少し足りなかった。

 ただ、引き分けたことでセルティックが有利な状況に変化はなかった。次節、1ポイント以上を積み上げて他会場でレンジャーズが敗れれば、その時点で2年ぶりのリーグ優勝が決定する。もし両チームが勝ち続けても、2節後にはセルティックの優勝が決定するだろう。

 ポステコグルー監督も「我々は残り3試合でより強い立場にいて、そのうち2試合はホームで戦える。これからリカバリーをして、次の試合に備えなくてはならない。それは我々にとっての次の挑戦になるだろう。強力なパフォーマンスによって、我々が求めてきたものに一歩近づきたい」とレンジャーズ戦後のインタビューで語った。

 事実上の優勝決定戦で先発起用されたことで、前田、古橋、旗手が指揮官から強く信頼されていることはよくわかった。そのうえで優勝を決める瞬間に寄与するような結果を残せれば、彼らに対する信頼は圧倒的で揺るぎないものになるはずだ。

 次節は7日のハーツ戦となる。2戦連続のホームゲームで、日本人選手たちの奮起に期待したい。

(文:舩木渉)

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