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リバプール、相手を無効化させる巧みなコントロールとは? 「誰が試合に出ても強い」を可能にする術【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

いつも以上に効果的だったのは…?



 24本のシュートに枠内シュート10本。リバプールは猛攻を仕掛けたが、守護神マルティン・ドゥブラフカやマット・ターゲットといったニューカッスル守備陣が体を張ったディフェンスで耐えしのぎ、得点は19分に決まったナビ・ケイタのゴールのみに留まっていた。

 1点差という状況が続いていたこともあり、ニューカッスルの選手たちのモチベーションはかなり高かった。しかし、試合終了のホイッスルまでリバプール相手にゴールを奪うことはできなかった。

 リバプールが無失点に抑えることができた最大の要因は守備陣の巧みな「ラインコントロール」にあった。リバプールが志向する高い位置からプレスをかけて相手からボールを奪い、相手守備陣の陣形が整う前にショートカウンターを完結させるサッカーには「ハイライン」が欠かせない。最終ラインを高く設定することで中盤のスペースを埋め、相手のパスミスなどボールロストを誘いやすくなるからだ。

 一方で背後に広大なスペースが生まれるため、ディフェンスラインの裏に抜けられると一気にピンチになる。そこで重要となるのが「ラインコントロール」だ。相手のオフサイドを誘うことで裏への抜け出しを無効化することができる。

 これはどの試合でも徹底しているのだが、今節はいつも以上に効果的だった。39分にミゲル・アルミロンがゴールネットを揺らした場面では、ブルーノ・ギマランイスがアルミロンにパスを出すタイミングでジョー・ゴメスがとっさの判断でラインを上げてオフサイドを誘っている。

 この場面以外にもこうしたシーンは何度も見られ、ニューカッスルは今節だけで9つのオフサイドを記録している。逆にニューカッスルは裏への抜け出しのところを最後まで修正できなかったのが痛恨だった。

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