ガンバ大阪の致命傷となったシーンとは?
そのシーンとは後半20分。自らのビルドアップの流れで柳澤から齊藤未月へと横パスが渡り、ボールをコントロールしていた瞬間、背後からプレスに来たディエゴ・オリヴェイラに引っかけられたのだ。ボールを受けたのは長期離脱から復帰したレアンドロ。彼はそのままドリブルで持ち込み、ペナルティエリアに侵入するや否や右足を一閃。チェックに行ったダワンらも阻止できず、ガンバは2失点目を献上したのである。
「ウチのビルドアップからミスして、僕は鹿島でやってたから分かるけど、レアンドロのうまさは誰もが分かると思う。僕個人もチームも対応できなかった。非常に苦しくなる2失点目だったと思います」と昌子も反省しきりだった。その積み重ねが10試合15失点という現状なのだ。
これはリーグワーストのヴィッセル神戸に続く数字。今季J1でクリーンシートは2月23日の浦和レッズ戦の1試合しかない。失点の連鎖に歯止めをかけない限り、上位浮上はあり得ない。そこは日本代表として2018年ロシアW杯を戦った昌子にはよく分かっていることだ。
「守備を預かる者として失点の数は気になるところ。どのスポーツでも点を入れられなければ負けることはないですから。レベルアップしないといけないところはいっぱいあるし、それをクリアしていって強い集団になりたい。歩みを止めては絶対にいけないので、しっかり前を向くことだと思います」
背番号3が語気を強めた通り、守備の問題は最終ラインだけのことではない。固定したメンバーで戦って連動性を引き上げているFC東京とは違い、メンバーがコロコロ変わる中、前からのプレスの精度やビルドアップのコンビネーションを引き上げていくのは難しいテーマだが、そうそう時間はかけられない。
この0-2の敗戦でガンバは14位に転落。J2降格圏が迫ってきている。連戦が続く今、足踏み状態を強いられるようだと、最悪のシナリオも視野に入れなければならなくなる。それだけは回避すべく取り組むしかない。