我慢できなかったガンバ大阪
この日は4-4-2でスタート。攻撃時は小野瀬康介と山見という両サイドハーフが中に絞り、柳澤亘、藤春の両サイドバックのいずれかが高い位置を取り、片方が下がって守備のリスク管理を徹底するという形で戦った。
攻守のバランスは取れていたため、FC東京にボールを支配されながらも大崩れすることはなかった。しかし、攻めの迫力がなかなか出せない。前半は36分の山見のミドルシュート、藤春のクロスにペレイラが飛び込んだ43分の決定機などいくつかチャンスは作ったものの、ゴールが遠い。
逆に相手の右CKからエンリケ・トレヴィザンに豪快ヘッドを許した流れから失点。守備リーダーの昌子も「我慢の展開で前半の終わり(38分)に失点するのはチームとして痛い。ゼロでハーフタイムを迎えるのと、失点して迎えるのでは全然違う」と厳しい表情で語っていた。
それでも片野坂監督は巻き返しを図るべく、0-1で迎えた後半頭から坂本に代えて同じトップ昇格組の中村仁郎を投入。昨年10月のAFC U-23アジアカップ予選・カンボジア戦でもゴールを挙げている期待の若手を投入し、打開の糸口をつかもうとした。
効果はすぐに表れ、彼や小野瀬が躍動感を示し、敵陣に迫る回数が増えていく。だが、「自分たちの流れの時にいかに失点を防いで点を取るか。それがサッカー」とロストフの悲劇の生き証人である昌子が語った通り、この時間帯を逃したことで、致命傷を食らう形になってしまう。