横浜F・マリノス 最新ニュース
【写真:Getty Images】
葛藤を抱えながらプレーする仲川輝人
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第5節が28日に行われ、横浜F・マリノスはホアンアイン・ザライを2-0で下した。
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先制点はFW仲川輝人が獲得したPKから生まれた。33分、右サイドでボールを持った背番号23はドリブルで仕掛けてペナルティエリアへ侵入。切り返した際にカバーを試みた相手選手のタックルを食らい、マリノスにPKが与えられた。
チームに大きな1点をもたらすきっかけとなった場面について、仲川は「そんなに見えていなかったですけど、間接視野でちょっと感じていたというか、来ているなというのは薄々あった」と振り返る。
予感は的中し、見事にPKを獲得。「相手がすごい勢いで来た」ことで右足首を痛めたため、大事をとってハーフタイムで交代となってしまったが、仲川は45分間のプレーでも大きな仕事を果たした。
今大会のマリノスは厳格なターンオーバー制を敷いていることもあって、仲川は第1節、第3節、第5節と3試合で先発起用されている。第4節は途中出場だったため、現時点で5試合中4試合でピッチに立ったことになる。
しかし、期待されるゴールやアシストといった結果は残せていない。それどころか今季序盤のゴールを量産していた頃のような躍動感は鳴りを潜めたまま。煮え切らないパフォーマンスが続いている。
その原因の1つは、3月下旬の戦線離脱だった。代表ウィーク期間もあったためJ1リーグ戦の欠場は1試合のみで済んだが、コンディションへの影響は思った以上に大きかったようだ。4月はJ1リーグ戦3試合に出場し、うち1試合で先発起用されたものの大きなインパクトは残せず。ACLに入っても、先述のようになかなか状態が上がってこない。
仲川本人も自らのコンディションとパフォーマンスに対して「上げなきゃいけないなというのもありますけど…」と葛藤を抱えながらピッチに立っていると明かす。
「怪我の兼ね合いというか……正直言うと、まだ完全に治ったわけではないので。でも、プレーはできる範囲の怪我というか、そういった状況なので、やりながらコンディションを上げていかないといけないんですよ。あとはここにきて、気候だったりグラウンドだったりボールだったり、いろいろな面の難しさはありました」
徐々に元に戻りつつはある。第5節のホアンアイン・ザライ戦では久しぶりに最も得意とする右サイドで先発し、「龍(小池龍太)との関係性だったり、トップ下のマルコス(・ジュニオール)とか、近いポジションの選手とうまく流動的に動きながら最終的には背後を取るというプレーを狙っていた。何度かチャンスは作れましたけど、最後の質がちょっとまだ合っていない」と手応えと課題の両方を得た。
ACLのグループステージは残り1試合。帰国後のJリーグへ弾みをつけるためにも、グループ首位での決勝トーナメント進出をかけた一戦できっかけをつかんでおきたい。仲川は「一番簡単なのは結果なので、数字を残すこと」と意気込む。
「アシストもそうだし、ゴールも、今日のPKもそうですけど、そういった面で本当にチームのために頑張れば、いい結果がついてくるんじゃないかと思います」
背番号23の活躍は、これからのマリノスの戦いにおいて不可欠。チームとしても個人としても最高の「結果」を持って、上り調子のまま日本に帰りたい。
(取材・文:舩木渉)