右サイドを制圧したトライアングル
リバプールはこの試合にお馴染みの4-3-3を採用。サラーとルイス・ディアスを起点としたサイド攻撃で相手ゴールに迫ったが、特に右サイドの攻撃では優位に立っていた。
その要因となっていたのが、サイドバックとインサイドハーフ、そしてウイングで形成されるトライアングルだ。
サイドライン際でボールを受けるサラーに対し、内側にヘンダーソンとトレント・アレクサンダー=アーノルドが入ることでトライアングルを形成。ヘンダーソンが裏へ抜けた際は空いたスペースにアーノルドが入り、逆にアーノルドが飛び出せばヘンダーソンが下がるなど、サラーを起点に柔軟にポジションを変えて相手DFを翻弄していた。
先制点の場面では、マネのパスをヘンダーソンが受けると、サラーへ預けてそのまま相手DFの裏へ走り、ペナルティーエリア右脇でスルーパスを受ける。これをダイレクトで中に上げ、相手DFに当たったボールはゴールへ吸い込まれた。
さらに2点目の場面でも、ピッチ中央でボールを持ったアーノルドに対し、ヘンダーソンがサイドライン際、サラーがペナルティーエリア手前に入ることでトライアングルを形成。ヘンダーソンがサイドライン際にいることでDF1枚を引き付け、空いたスペースにマネが加わったことで、アーノルド→サラー→マネの形で追加点を決めている。
また、守備時には最前線にいる選手から連動してプレス。互いのポジションを見てマークを受け渡し、瞬時にボールを奪い返していた。
このトライアングルは、この試合だけのものではない。プレミアリーグでも見せている連係だが、この試合ではサラー、ヘンダーソン、アーノルドの3人の連係が完璧だった。