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レアル・マドリードの強さとは一体何なのか。凄まじいレジリエンス、マンCに圧倒されながらも繋いだ希望【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

説明がつかない強さ



 ここまで振り返った通り、内容でマドリーは圧倒されていた。1stレグの時点で、勝負を決められても不思議ではなかった。

 しかし、0-2で迎えた33分にカリム・ベンゼマがさすがの決定力を発揮し1点を奪取。3失点目の直後にはヴィニシウスが単独でゴールを奪い、82分にはベンゼマがPKを沈めるなど、終わってみれば3-4の惜敗。これほど内容と結果に差があるゲームも珍しいのではないだろうか。

 決定力の差と言えばそれまでかもしれないが、それにしてもマドリーの力はなんとも不思議であり、説明がつかない。チャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16のパリ・サンジェルマン戦、同準々決勝のチェルシー戦もそうだったが、追い込まれてこそ発揮する力は、彼らのプライドがそうするのだろうか。いずれにしても、あの内容でシティから3点を奪えたことは、少し信じられない。

 サッカーというスポーツは恐ろしくて魅力的だ。89分良くても残り1分の質で負けることはあるし、内容が良くても結果が出ない、内容が悪くても結果が出るなんてことが珍しくない。今回のマドリーは、まさにサッカーの怖さ、そして面白さを体現したと言えるだろう。

 2ndレグはサンティアゴ・ベルナベウで行われる。先勝したシティが有利であることは間違いないが、マドリーにはマドリーにしか発揮できないパワーがある。まだまだ行方はわからない。

(文:小澤祐作)

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