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サンフレッチェ広島に加入、FWナッシム・ベン・カリファとはどんな選手? U-17W杯では準MVP受賞のスキッべ監督教え子

text by 編集部 photo by Getty Images

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ナッシム・ベン・カリファ
【写真:Getty Images】



広島加入が発表された30歳元スイス代表FW

 J1のサンフレッチェ広島は25日、FWナッシム・ベン・カリファの加入が決定したことを発表した。スイス代表歴もある30歳のベン・カリファとはどのような選手だろうか。



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 チュニジアにルーツを持つベン・カリファだがスイスで生まれ育ち、サッカー選手としての第一歩を踏み出したのもスイスだった。グラスホッパーズの下部組織からトップチームに昇格し、2009年に17歳でデビューを飾っている。

 当時のベン・カリファはスイス期待の若手選手の一人であり、各年代の代表チームで常連。特に2009年にはドイツで開催されたFIFA U-17ワールドカップでスイスを初優勝に導く立役者の一人となり、大会の準MVPにあたるシルバーボールにも輝いた。

 この大会では、グループステージでU-17日本代表とも対戦している。柴崎岳や宇佐美貴史、宮市亮らも出場していた日本は前半に宮吉拓実の2ゴールでリードしたが、後半に逆転したスイスが4-3で勝利した試合だった。

 ベン・カリファはグループ最終節でブラジルを撃破する決勝点を挙げ、そこから準決勝まで4試合連続ゴールを記録するなどチームをけん引。ゴールデンボール(MVP)には準優勝のナイジェリアの選手が選ばれたため、優勝チームでは最も高い評価を受けたのがベン・カリファだった。

 このチームでともに世界一に輝いたメンバーは、現アーセナルのMFグラニト・ジャカや、現ベンフィカのFWハリス・セフェロビッチ、現トリノのDFリカルド・ロドリゲスなど。後にスイスA代表の中心選手となり、欧州主要リーグで優れた実績を残してきた選手も少なくない。

 だが同世代の選手たちが飛躍していく中で、ベン・カリファはそれほど華々しいキャリアを歩んできたとは言い難い。スイス国内ではグラスホッパーズやローザンヌなどの主力として活躍したが、18歳で移籍したヴォルフスブルクではトップチームの公式戦に出場することはなく、レンタルされたニュルンベルクでもブンデスリーガ出場は1試合のみ。スイスA代表でも若手時代に4キャップを記録するにとどまった。

 2020年には自身のルーツであるチュニジアの強豪エスペランスへ移籍したが、そこでも苦しい時期を過ごした。今年3月に同クラブとの契約を解除した際には、現地メディアは「しばらく前から監督の構想外だった」「コーチ陣を納得させられなかった」と報じている。

 それでも、今季から広島を率いているミヒャエル・スキッベ監督の信頼は厚いようだ。2013年から15年までグラスホッパーズを率いた際にベン・カリファを指導したスキッべ監督は、その後就任したトルコのエスキシェヒルスポルにも同選手を呼んだことがあった。今回再び日本へ呼んだのも、広島を助ける戦力となることを確信しているからこそだろう。

【了】

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