アジアサッカー・AFCチャンピオンズリーグ(ACL) 最新ニュース
【写真:舩木渉】
シドニーFCの左SBは「高校サッカー」出身
シドニーFCは22日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第3節で横浜F・マリノスと対戦する。
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この一戦に向けて、特別な思いを抱いている選手が21日の前日記者会見に登場した。シドニーFCに所属するDFコナー・オトゥールは、高校時代を日本で過ごした「高校サッカー出身」の左サイドバックだ。
アイルランド人の父と日本人の母の間にオーストラリアで生まれた「コナー・ニール・和希・オトゥール」は、現在24歳。かつて成立学園高校で3年間プレーし、オーストラリアでプロになった。ブリスベン・ロアーやニューカッスル・ジェッツを経て、今季から国内屈指の強豪シドニーFCの一員として戦っている。
記者会見でオトゥールは、日本との関係性について「僕は日本で長い時間を過ごし、3年間高校に通いました。日本でサッカーについてたくさん学び、貴重な経験をたくさんすることができました」と感謝。マリノス戦に向けて高ぶる気持ちを隠さない。
「Jリーグのクラブと対戦するのは僕にとってどんな時も特別ですし、僕のお母さんにとっても特別な意味を持つと思います。お母さんもマリノスとの2試合をとても楽しみにしてくれていて、試合を見てくれると思います。本当にスペシャルな試合です」
オトゥールにACL開幕戦の全北現代モータース戦後に話を聞いた時は、マリノス戦について「僕にとってはアジアで最高のクラブの1つと対戦できる貴重な機会です」とも話していた。
マリノスを率いるのはオーストラリア人のケヴィン・マスカット監督で、「監督も含めて多くのオーストラリア人指導者もいますし、良いライバル関係もあると思います」とオトゥールは言う。そして「もしマリノスに勝つことができれば、アジアのどんなクラブにも勝てるという自信をつかめると思います」と、勝利の持つ意味の大きさも感じている。
記者会見ではマリノス戦に向けた展望を次のように語っていた。
「明日は僕たちにとって非常に重要な試合になると思います。ここまでの2試合は結果こそ出ていないですけど、ポジティブに捉えています。前節は無失点できていたところ、ディフレクションもあって非常に不運な失点を喫してしまいました。でも、僕たちの方が多くのチャンスを作っていたと思います。日本のチームはどんな時もタフで力がありますけど、明日の試合がとても楽しみです」
シドニーFCはここまで2試合で2引き分けと、多くのチャンスを作りながら勝ちきれない試合が続いている。そんな中で迎えるマリノス戦は、グループステージ突破に向けて絶対に落とせない一戦だ。オトゥールは改めて相手の特徴を分析しつつ、勝利への強い意気込みを口にした。
「マリノスはここまでの2試合で彼らの実力を示してきたと思います。ボールをうまう握って、前節もボール支配率は60%くらいを記録していました。優秀な外国籍選手がいて、日本人選手たちもみんなテクニカル。僕たちはそんな彼らに対処しなければいけません。勝つために全力を尽くし、このタフなグループで首位の座を狙っていきたいと思います」
自らのルーツがある国のトップクラブとの対戦に、燃えないわけがない。世代別のオーストラリア代表歴も持つ左サイドバックは、マリノス戦でどんなプレーを見せてくれるだろうか。パフォーマンスしだいでは、将来的に日本でプレーするきっかけもつかめるかもしれない。
(取材・文:舩木渉)
【了】