「チャンスのクオリティを上げていく」
「3枚になって守備は昨年みたいに固く粘り強くできている。それはすごくいいことだし、継続していくところなんですけど、攻撃になった時にもっとスイッチを入れないといけない。ボールを運べる選手、持てる選手が持った時には、僕とか相馬、森下といったサイドの人間が後ろのことを気にせず、前に駆け上がって人数をかける。そういった回数も増やすべき。チャンスのクオリティを上げていくことが得点につながると僕は思っています」
この試合で左右のウイングバックを務め、攻撃に厚みを加えた吉田が語るように、前線の迫力や推進力を高めるためには、サイドの攻撃参加がカギになる。もちろん中盤の稲垣や仙頭もバイタルエリアに侵入する回数を増やさなければいけない。
守備再構築中の名古屋にとっては攻守のバランスの取り方が難しいかもしれないが、チーム全体として運動量や走行距離を引き上げ、ダイナミックさを高めていかなければ、得点力不足という難題は解決できないだろう。
そのうえで、マテウス・カストロや酒井、柿谷や金崎らFW陣のブレイクが重要だ。J1上位陣を見れば、川崎フロンターレのレアンドロ・ダミアン、鹿島アントラーズの上田綺世を筆頭に確固たる得点源がいる。彼らの誰かがそうならなければ、名古屋の上位浮上は難しい。改めて1つ1つのチャンスを決めきることにこだわり、結果を徹底的に追求していってほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
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