敗戦したもう一つの原因は…
先述したように、攻撃が機能していなかったのは紛れもなく敗戦した原因の1つだ。だが、それだけではない。守備もかなりあまかった。
14分の場面では、1トップのルーカス・ペレスにボールを持たれると、簡単に反転してDFラインの裏に抜けたアルフォンソ・エスピーノへパスを通されている。
27分には敵陣でボールを奪われると、ルベン・ソブリーノに簡単に裏へ抜け出され、あわや失点というピンチを作られてしまっていた。
この試合でCBを務めたエリック・ガルシアとクレマン・ラングレは、今季あまりコンビを組んでいないため、上手く連係出来ていなかったこともあるだろう。48分に先制された場面では、この2人の間に位置したソブリーノに背後を取られてシュートを放たれ、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが2度セーブするも失点を喫した。
さらに76分の場面では、ジョルディ・アルバの裏に抜けた相手選手に対してラングレがカバーに入った。しかし、焦ってスライディングに行ったあげく抜かれ、エリック・ガルシアがカバーしようと前に出たことで、ペナルティーエリア内は数的不利となり、決定機を作られてしまっていた。
これは後ろからエリック・ガルシアが声掛け出来ていらば、ラングレはスライディングに行かずに留まったかもしれない。こうしたミスが重なり、カディスが放ったシュートのほとんどは、決定機となっていた。
今のバルセロナの守備はピケがいなければまとまらない。そう感じざるをえない内容だった。現在はまだリーグ2位に位置しているが、4位まで勝ち点は同じ。6位までは勝ち点「5」差の僅差となっている。リーグ戦も残りわずか。早期修正を行い、チームを立て直さなければ、最悪の場合来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃すことになるかもしれない。
(文:阿部勝教)
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