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ポステコグルー監督の采配はすべて裏目。セルティック敗退に感じるいくつもの”たられば”【分析コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

延長戦突入時の交代で…

古橋亨梧
【写真:Getty Images】



 一方のセルティックは、交代出場した選手たちがことごとく機能しなかった。3人が負傷で交代を強いられてゲームプラン通りにいかなかった側面もあるだろうが、延長戦も含めて6人の交代選手を起用しながら、いずれも試合の流れを変えるだけの働きを見せることはできなかった。

 これほどまでにアンジェ・ポステコグルー監督の交代策がハマらない日は珍しい。

 最初の交代は58分、MFトム・ロジッチとFWリエル・アバダを下げてMFマット・オライリーとFW古橋亨梧が投入される。アバダが右ふくらはぎを痛めたことによって、2人の交代出場が予定よりも早まったようだった。オライリーと古橋は急いで準備を進め、すぐにピッチへと送り出された。

 テイラーのゴールで先制した直後の67分、今度はDFヨシプ・ユラノヴィッチが負傷してしまい、セルティックは期せずして2度目の交代タイミングを使わなければならないことに。ポステコグルー監督はDFアンソニー・ラルストンを起用し、そのままユラノヴィッチが務めていた右サイドバックに配置した。

 そして試合は1-1のまま延長戦へ。セルティックは延長前半の頭から、直前に足をつっていたテイラーに代えてDFスティーブン・ウェルシュを、そして前線のFW前田大然に代えてジェームズ・フォレストを投入する。

 この交代が運命の分かれ道だったかもしれない。ウェルシュはセンターバックが本職の選手で、右利きのためテイラーがいた左サイドには対応できない。そのためラルストンが左に回り、ウェルシュは右サイドバックに置かれた。

 フォレストは右ウィングに入り、後半終了まで右サイドでプレーしていたFWジョタが前田のいなくなった左サイドへ回る。これで右サイドのウィングとサイドバックがフレッシュな選手たちに置き換わった。だが、この交代策によってセルティックの右サイドは機能不全に陥ってしまう。

 クラブでは約2ヶ月ぶりの公式戦出場だったウェルシュが波に乗れず、延長戦開始早々からミスを連発。特に攻撃の起点となるはずの縦パスで凡ミスを繰り返し、相手に簡単にボールを渡してしまう場面が増えた。また、スピード不足を相手に突かれたのも痛恨だった。

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