完璧だったフランクフルトのバルセロナ対策
フランクフルトは1stレグ同様、3-4-2-1を採用。出場停止のトゥタに代わりアルマミ・トゥーレ、負傷中のジブリル・ソウに代わりセバスティアン・ローデが入ったが、あとの9名は初戦と同じだった。
守備時は5-4-1のブロックを形成。バルセロナのセンターバック2枚には自由にボールを持たせるが、ブスケッツへのパスコースは1トップのボレが限定。シャドーの鎌田とリンドストロムは相手インサイドハーフへのパスコースを限定し、サイドバックにボールが流れれば内側を切りながら寄せていった。
シャドーがSBの方に流れ、相手のインサイドハーフが少し高い位置を取った場合は、3バックの一角が最終ラインを離れ対応する。これによりボランチと2人で挟み込むことが可能となり、ライン間で仕事を与えないようにしていた。
つまりフランクフルトの狙いは、バルセロナによりプレーエリアが限られる外側で勝負させ、詰まったところで奪ってカウンターというものだった。
これに対しバルセロナは大苦戦。1stレグ同様ライン間にパスを差し込めず、ブロックの外でボールを回す時間が増えてしまった。ウスマンヌ・デンベレやフェラン・トーレスは何度か個人技で打開することはあったものの、フランクフルトの囲い込みが早く、危険な形で失ってしまうことも多かった。
そして今やバルセロナの大きな武器であるペドリも消されてしまった。上記の通りビルドアップ時は鎌田にパスコースを限定され、高い位置を取ればエバン・エヌディカが張り付いてくる。チームとしても外回しの時間がほとんどだったので、ボールに触れる機会は限られた。事実、データサイト『Who Scored』によると、前半のペドリのタッチ数はGKを除くチームワースト2位であった。
外に追い込まれ囲まれては奪われ、を繰り返したバルセロナは幾度となくカウンターを浴びている。フランクフルトのそれは量だけでなく質も高く、かなりの確率でフィニッシュに持ち込む。そのためバルセロナは、必然的に深い位置から攻撃をやり直すしかなく、同じ沼にどんどんハマっていったのだ。
終盤は超攻撃的な布陣にしたこともあり2点を奪うことができたが、70分まではただ単にボールを持たされているだけという印象が強かった。それほどフランクフルトの対策は完璧で、かつ強度が高かったのだ。