チームメイトも驚くクオリティ
もちろん後半も勢いは衰えない。50分にはMFマット・オライリーからのスルーパスに飛び出した旗手がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。それをDFヨシプ・ユラノヴィッチが決めて4点リードに。
70分にはMFデイヴィッド・ターンブルのクロスからオライリーが曲芸的なフィニッシュでゴールネットを揺らす。この時、前田の囮となるニアサイドへのランニングがオライリーにシュートコースをもたらした。U-21デンマーク代表にも選ばれている今冬加入のMFは73分にもゴールを奪い、セルティックのリードは6点に。
そして、機は熟したとばかりに帰ってきたエースが登場する。74分、ジョタとの交代で場内に「キョウゴ・フルハシ」の名前がコールされた瞬間、セルティック・パークは大歓声に包まれた。
78分にはゴールラッシュを締めくくる7点目の起点となり、復活を印象づけた。センターサークル付近に下りてきて味方からの縦パスを引き出した古橋は、前を向くとゴール前へ一気にロングパスを送る。最後は飛び出した前田の落としに、FWリエル・アバダが詰めた。
古橋は79分にもあわやゴールかという惜しいシュートを放つなど、躍動感あるプレーで終盤のチームを引っ張った。完全復活への期待は膨らむばかりである。
冬に加入したため古橋とは「練習で何度か一緒にやったくらい」だというオライリーは、「それだけでも彼が本物のトッププレーヤーだとわかった」と驚きを隠さない。地元紙『スコティッシュ・サン』などがセント・ジョンストン戦後のコメントを伝えている。
「みんなから彼(古橋)がどれほど素晴らしいプレーをしてきたかというのは聞いていた。だけど、本当の意味で彼のすごさに気づくのは毎日一緒に練習をした時だ。彼の動きのシャープさは、これまでに見たことがないものだった。そして、彼は常に自分がどこに立っていればいいかを理解している」