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アトレティコ撃破、久保建英は陰の立役者だった。止められる方法はファウルだけ。攻守に示した韓国人MFとの差とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

久保建英投入で流れが傾く



 マジョルカの守りにアトレティコは苦しんだ。最終ラインでボールを持っても、前方には5-4の牙城が築かれている。もちろん、いいときであればそれを崩す術も持ち合わせているのだが、ボールの持ち方を忘れてしまったかのかと思うくらい、特に前半は拙い攻撃に終始した。

 皮肉を込めて言えば、マンチェスター・シティ戦の後遺症が残っていたのかもしれない。4日前にアトレティコは5-5-0と表現すべき守備的な戦いでマンチェスター・シティに挑んでいる。マジョルカ戦ではボールを持つ側に回ったが、適切な振舞いを忘れてしまっているかのごとく最終ラインでボールを回し続けた。

 54分、マジョルカはイ・ガンインを下げて久保建英を投入する。そのまま右サイドに入った久保は、挨拶と言わんばかりにジョフレイ・コンドグビアにプレスをかけてボールを奪う。これは惜しくもファウルとなったが、その数十秒後には見事なキープで味方にボールを繋いだ。

 スコアが動いたのは68分。イドリス・ババからの縦パスを受けたパブロ・マフェオがペナルティエリア内で倒され、マジョルカがPKを獲得した。これをムリキが決めてマジョルカが先制している。

 マジョルカは先制後も過度に引きこもることなく適切なライン設定を保ち、カウンターから一発のチャンスを狙った。最前線に張るムリキに久保が関わることでアトレティコの攻撃に水を差し、1-0のまま時間だけが進んでいく。

 データサイト『WhoScored.com』によると、久保はチーム最多の4回のファウルを受け、1-0のリードを守るという最大のタスクを遂行している。直接スコアを動かしたわけではないが、陰の立役者の1人と言える貢献だった。

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