最も違いを生んだのは…
【写真:Getty Images】
前述したようなチェルシー対策や瞬時の対応は、勝利できた大きな要因だ。だが、この試合で最も違いを生んだのは、ベンゼマだろう。この男の活躍がなければ、レアルの勝利はありえなかった。
奇跡的な逆転勝利を収めたPSGとのラウンド16の2ndレグに続き、ベンゼマはこの試合でハットトリックを達成。放った4本のシュートの内、3本を決める圧倒的な決定力を見せつけた。
それだけでなく、10分の場面では右サイドでこぼれ球を拾うと、相手DF2人を引き付けてヒールパス。バルベルデをフリーにして難しいパスを難なく通し、チャンスを演出している。
圧巻の活躍を見せたベンゼマについて、アンチェロッティ監督は「彼はワインのようだ。日に日に良くなっているし、チームの中で日々重要性を感じ、リーダーシップを発揮する選手になっている」とコメント。さらに「多くのゴールを決めているし、相手の裏に抜けてボールをキープするなど、チームに大いに貢献してくれるとても重要な存在だ。我々は彼がいてくれて本当に良かったし、幸運だと思っている」と手放しで称賛した。
今季のベンゼマは、準々決勝1stレグを終えた時点で、CLではキャリアハイとなる11得点を記録している。2ndレグは、PSG戦で奇跡を起こした聖地サンティアゴ・ベルナベウのため、エースの複数得点も大いに期待できる。35歳を迎えて勢いを増すこの男の活躍があれば、レアルはベスト4に駒を進めることができるだろう。
(文:阿部勝教)
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