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「ワインのように日に日に良くなる」。レアル・マドリード、勝因になったチェルシー対策と瞬時の対応は?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

レアルがみせたチェルシー対策



 レアルはこの試合に4-3-3で臨んだ。いつもと変わらないフォーメーションではあるが、アンチェロッティ監督は右ウイングにマルコ・アセンシオではなく、フェデリコ・バルベルデを抜擢した。

 3-4-3を基本フォーメーションとするチェルシーは、攻撃時に前線の3人に加えて両ウイングバックが最前線まで上がるため、3-2-5のような形になる。そのため、レアルも守備時にフォーメーションを変更。バルベルデが最終ラインに、ヴィニシウスが中盤に入り、5-4-1の陣形で守備網を敷いた。

 アセンシオに攻撃面で劣るバルベルデを右ウイングに起用したのは、この守備戦術のためだろう。90分間上下動でき、より守備能力に長けるこの15番を起用したことで、チェルシーの左ウイングバックは抑え込めていた。

 逆転を狙うチェルシーは、後半の頭からマテオ・コヴァチッチとハキム・ツィエクを投入。64分にはロメル・ルカクを投入し、サイド攻撃からのクロスを狙ってきた。

 アンチェロッティ監督はこの攻撃に対しても瞬時に対応。バイタルエリアを埋めていたカゼミーロを最終ラインまで下げ、右サイドはバルベルデ、ダニ・カルバハル、ルカ・モドリッチが、左サイドはメンディ、ダビド・アラバ、ビニシウスと、常に3人が対応することで数的優位を作り、簡単にクロスを上げさせていなかった。

 こうした対策や瞬時の対応により、レアルはチェルシーに決定的なチャンスをほとんど作らせることなく、敵地で勝利を収めた。  

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