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リバプールを勝利に導いた「低速ギア」とは? ベンフィカにとどめを刺した極限レベルの緩急【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

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UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、ベンフィカ対リバプールが現地時間5日に行われ、1-3でリバプールが勝利を収めた。4冠の可能性を残すリバプールにとってはビッグマッチが続く難しいスケジュールだったが、難敵を見事に撃破した。勝因の一端はゲームコントロール術にあった。(文:本田千尋)


ペースを取り戻したリバプール

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【写真:Getty Images】

 リバプールは決して“急ぎ足”ではなかった。

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 現地時間4月5日に行われたチャンピオンズリーグの準々決勝1stレグ。リバプールは敵地でベンフィカに先勝した。スコアは3-1。17分にCKからCBイブラヒマ・コナテが豪快にヘディングで叩き込んで先制すると、34分にはトレント・アレクサンダー=アーノルドが蹴ったロングボールを、ボックスの中でルイス・ディアスが頭で折り返し、サディオ・マネが右足で押し込んで2点目。[4-4-2]でブロックを形成して防戦一方のベンフィカに対して、前半からリバプールの選手たちが力の差を見せつけた。

 後半が始まって間もない49分に、コナテのクリアミスからダルウィン・ヌニェスに1点を返され、少しベンフィカに息を吹き返されたものの、61分にユルゲン・クロップ監督が選手交代のカードを3枚(サディオ・マネ→ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー→ディオゴ・ジョタ、チアゴ→ジョーダン・ヘンダーソン)同時に切って、再び試合のペースを取り戻す。

 この場面について、試合後にドイツ人指揮官は次のように振り返った。

「彼らが(ベンフィカ)がゴールを決めた時に観衆が息を吹き返すだろうことは明らかだったし、会場の雰囲気はとてもとても良かった。そして、良いフットボールのチームはそれを利用する傾向がある。しかし、3枚代えることによって、すぐに少し落ち着かせることができた」

 このクロップ監督の、試合の熱を冷まそうとする交代策によって、リバプールは落ち着きを取り戻し、じっくりとボールを繋いでいくようになった。

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