指揮官交代でも改善されないマンUの問題
62分には、マンUがカウンターを仕掛けたにもかかわらず、逆に中央で奪われてカウンターを喰らって失点してしまう。いわば“カウンター返し”のような形での失点は、攻撃面はもとより、守備面でも組織が機能していないことを象徴するような場面だった。
もっとも、そもそも今季の当初からマンUにはチームとしての秩序のようなものが存在しなかったので、コンディション以前の問題と言ってしまえば、それまでかもしれない。その問題は昨年11月に指揮官がラルフ・ラングニック暫定監督に代わっても、結局のところは改善されなかった。
残り8試合で、チームの組織としての機能が劇的に向上するとは考えにくい。そういった意味では、チーム全体にのしかかった疲労が、「明確な組織が存在せず、チームとしての性格がはっきりしない」というマンUの問題を改めて浮かび上がらせた、とも言える。
そして、代表ウィーク絡みのコンディションの問題によって派生したのが、ロナウドの不在という問題だ。ラングニック暫定監督によれば、クリスティアーノ・ロナウドは体調不良によりベンチ外となった。
主将としてポルトガル代表のカタール・ワールドカップ行きを決めたプレーオフを2試合連続でフル出場した影響は否めないだろう。ロナウドを欠いたことで、ラングニック暫定監督はマーカス・ラッシュフォードをセンターFWとして先発させるか迷ったそうだ。だが、イングランド代表から落選した24歳のFWは、少し自信を失っているようだった。
ラングニック監督はポール・ポグバをトップ下に配置し、フェルナンデスを0トップとして先発させた。しかし、このフェルナンデスの0トップ起用はほとんど機能しなかった。