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ポルトガル代表、W杯を決めた大一番で光った“技術”とは? カンセロ、B・フェルナンデスらに受け継がれる伝統【W杯欧州予選/分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

技術の真価が発揮されたのは…



 2つの得点シーンはもちろんのこと、79分や91分の場面でも、ポルトガル代表の選手たちはカウンターを繰り出して北マケドニアに襲い掛かった。79分の場面では、途中出場したウィリアム・カルバーリョが左に大きく展開し、B・フェルナンデスが前方に流すようにトラップしてそのままドリブルで進んで、ボックス内のC・ロナウドにグラウンダーのボールを入れたが、この一連のスムーズな流れは一見すると簡単なようで、決して簡単ではないだろう。

 カンセロがカルバーリョに入れたボールに始まり、カルバーリョが左前方のスペースに出した正確無比なロングボール、そしてB・フェルナンデスのトラップとドリブル、それからC・ロナウドに入れたグラウンダーのクロスと、このカウンターの一連の流れが、高次元の“技術の連なり”で成り立っている。

 そもそもフットボールのチームは、CBがFWからボールを奪う技術や、後方からのビルドアップの技術、ボールポゼッションを高めるパスワークの技術、FWのフィニッシュワークの技術など、様々な“技術”で成り立っている。その中でもカウンターを成功させるための技術は、より難易度の高いものであり、カウンターの局面においてこそ、そのチームが持つ“技術”の真価が発揮される、とも言えるのではないか。ちょうど4年前のロシアワールドカップで、ベルギー代表がその“技術”を発揮したカウンターで日本代表を沈めたように――。

 その意味で、持ち前の“技術”が光ったからこそ、ポルトガルは北マケドニアを下すことができた。代々受け継がれる伝統の“技術”を発揮して、重圧化のカウンターを成功させることができたからこそ、ワールドカップ行きのチケットを勝ち取ることができたのである。

(文:本田千尋)


【了】

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