「W杯本番までは6試合しかない」
昨夏の大舞台で過酷な戦いを繰り広げた彼らはお互いの特徴や長所を熟知している。だからこそ、準備期間がない中でもこういった連係連動を見せられるはず。8カ月後の大舞台に向け、彼らが所属クラブでそれぞれに結果を求めていくのはもちろんのこと、同世代で培ったコンビを代表に注入していくことも、非常に重要なテーマとなるだろう。
結局、試合は1-1のドローで終了。チームを底上げすべき東京五輪世代にとってもほろ苦い一戦になった。森保ジャパンは30代の吉田や長友佑都、30歳近い遠藤航や伊東への依存度が高いチーム。この集団をよりフレッシュなのものにするためにも、若い世代の台頭は不可欠だ。大きな期待を寄せられる彼らの中で、ベトナム戦で合格点を出せたのは三笘と田中くらい。久保を筆頭に、他の面々はまだまだ改善の余地がある。
「コロナ禍で時間がない中、チームを構成していくうえで、『1チーム・2カテゴリー』が生きているのは1つあります。ただ、本人たちも決して手放しで喜べるパフォーマンスではなかった。チャンスをつかむ、結果を出すってところにはもっともっとこだわっていかないといけない。本番までは6試合しかないですから」
キャプテンの吉田も厳しい言葉を口にしたが、ベトナム戦の不甲斐なさを彼らがどこまで真剣に受け止め、努力していけるのか。それが日本躍進のカギになる。
昨夏の東京五輪でメダルを逃した悔しさを晴らすのは、カタールの大舞台しかない。2010年南アフリカW杯で日本代表を救った本田圭佑や長友らは当時23~24歳だった。今の彼らと同じ年代だ。偉大な先輩たちを超えるべく、三笘や久保らには改めて自分自身を奮い立たせてもらいたい。
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