先制されたらほぼ終わり? 目下の課題は…
後半から4-2-3-1にシステムを変えた日本代表は、54分に久保から原口につないでシュート、最初に起点になっていた吉田麻也がGKの正面に弾いてしまったボールを押し込んで1-1の同点に追いつく。
右サイドに伊東純也が入り、片側で引きつけてから逆サイドに回し、伊東と三笘でチャンスメークする展開に。さらに田中、守田、南野拓実が入ると攻撃の勢いは増し、相次いで決定機を作ったが逆転ゴールはならず。
サイドに伊東、三笘を置いて個の威力で、あるいはそこからのコンビネーションでゴールへ迫っていく形は、現状考えられる最も強力な攻め手だろう。上田、南野のゴールゲッター2人をゴール前に揃えてクロスボールからの得点確率も最大限上げている。
ところが、それでベトナム代表から得点できなかった現実は厳しい。ワールドカップでも接戦に持ち込む戦いがベースになるだろうが、得点が必要なときに何ができるかは大きな課題である。伊東、三笘のサイドアタックと久保ないし南野のトップ下、さらにゴール前の強さと得点能力では大迫勇也や浅野拓磨を凌ぐ上田を起用してもアジアで得点できないなら、ワールドカップでは先制されたらほぼ終わりを意味してしまう。
CKから先制点を許してしまったが、守備の固さはある程度計算できそうだ。谷口彰悟、板倉滉は冨安健洋の不在を感じさせない安定感を今回の予選で示していた。卓越したプレーぶりだった守田に田中、遠藤航の鉄板トリオが万全なら大崩れせず接戦に持ち込むことはできるだろう。
今回は不発気味だった攻撃オプションを本大会までに強化するのが目下の課題だ。また、それとは別により強力な相手との戦い方も整理しておかなくてはならない。ワールドカップまでにやるべきことは多そうだ。
【了】