「これほど世間を騒がせることになるとは…」
「父は私に『お前が青いシャツを着ていいのは今日だけだ』と言っていました」と冗談を交えつつ、ジャスミンさんは日本代表に声援を送った理由を次のように説明した。
「今回の試合では、リバプールの選手が日本代表として出場していたので、2人で日本代表を応援していました。マージーサイドでは『私はイングランド人ではない。スカウス人だ』と言うんです。つまり、どこの代表チームの選手でプレーしていようと、私たちは常にリバプールの選手を応援します」
リバプールのクラブカラーは「赤」で、同じ街に本拠を構える宿敵エヴァートンのクラブカラーは「青」。日本代表のユニフォームの色はライバルクラブと同じなので、父ショーンさんはジャスミンさんに「お前に青いシャツを着せるのは今日だけだ」と言ったのである。
それでもジャスミンさんは「尊敬し、憧れて」いる南野のユニフォームを手に入れたかった。目の前でリバプールの選手を見られる機会はそうそうなく、今回のオーストラリア代表対日本代表の一戦は人生で2度とないかもしれない絶好のチャンスだったのである。そこで計画したのが、話題になったあのバナーを掲げることだった。
「父にタキのユニフォームを手に入れるためのバナーを作ろうと相談したら、『結婚』という文字を付け加えてみたらどうか? と提案されたんです。父は冗談で、もし自分がリバプールのためにプレーできないなら、娘がリバプールの選手と結婚すればいいと言っていました(笑)」
とはいえSNS上などで大きな注目を浴びて「私たちの計画がこれほど世間を騒がせることになるとは思ってもみませんでした」とジャスミンさんは驚いていた。だが、話題になったことで「残念ながらタキはスタジアムでバナーを見つけられなかったようですが、今頃気づいてくれていると思います」と語る。