ハムレット家のルーツ、そしてリバプールへの愛情
【写真：本人提供】
「私たち家族は22年前にイギリスからオーストラリアへ移住しましたが、家族のルーツはずっとリバプールにあります」
ジャスミンさんや一緒に日本代表戦を観戦した父ショーンさんら、家族は全員熱烈なリバプールサポーターでもある。
「私と家族がリバプールFCに対して抱いている愛情は、何世代にもわたって伝わっているもので、私たちのDNAの一部となっています。父はみなさんがこれまでに出会った中で最も熱狂的なリバプールサポーターなのではないかと思います。
お金を貯めては、数年に一度休暇を取ってイギリスへ行き、アンフィールドでリバプールの試合を観戦しています。新しく建設されたスタンドの後ろに私たち家族の名前が彫られた石を設置するためのお金も出してくれました。今でも私たちは夜中に起きて、リバプールの試合を全員で見て応援しています」
リバプールで最もお気に入りの選手は、地元出身で「クラブの価値と才能を見事に表現している」トレント・アレクサンダー＝アーノルドだというが、南野は別の意味で特別な存在だとジャスミンさんは言う。
「タキはリバプールに所属する初めての日本人選手で、特別な存在です。今季、彼は（公式戦で）9得点を挙げ、クラブやファンに対してもプロフェッショナルな姿勢で接しています。私は彼のことをとても尊敬し、憧れています。
もちろんワールドクラスの選手たちにはタキよりも多くの先発出場の機会が与えらえていますが、彼がピッチに立つ機会を得た時に常にチームのために100％の力を発揮し、どんな時も決して不満を口にすることはありません。彼は私たち家族にとっても誇りであり、リバプールFCと日本をつなぐ重要な役割を担っています。そして何より、彼はアジアを代表するサッカー選手なのです」
ただ、代表戦となれば話は違ってくる。一般的には自分の母国や、住んでいる国を応援するもの。しかし、ハムレット家の考え方は違った。ジャスミンさんは友人から日本旅行のお土産としてもらった日本代表のユニフォームを着て、父ショーンさんはリバプールのユニフォームを着て、スタジアムでは日本代表を応援していたという。
