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【写真:Getty Images】
三笘薫、途中出場から勝利呼ぶ2得点
【日本 2-0 オーストラリア カタールW杯アジア最終予選】
サッカー日本代表は24日、カタールワールドカップアジア最終予選のオーストラリア代表戦に2-0で勝利を収めた。そして、1試合を残して悲願のワールドカップ出場権獲得を成し遂げた。
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多くのチャンスを作りながら仕留めきれない展開が続く中、日本代表に歓喜をもたらしたのは途中出場の“切り札”だった。84分からピッチに送り出されたMF三笘薫が、試合終了までの約10分間で鮮烈な2得点を奪ってワールドカップ出場を手繰り寄せた。
「もちろん多く(の時間)プレーしたいですけど、いろいろな意図や状況がありますし、他の選手がいる中で僕自身に(出番が)回ってきたので、何分でも仕事をしなければいけないと思います。その意味では効率的にゴールを決めることができてよかったかなと思います」
左ウィングに入った三笘は89分、右サイド深くに侵入したDF山根視来の折り返しに右足で合わせて先制点を挙げる。さらに後半アディショナルタイムの94分、今度は左サイドで自ら得意のドリブルを仕掛けててカットインすると、フェイントで相手DFを惑わし、右足を振り抜く。鋭いシュートは処理を試みたGKマット・ライアンの手を弾いてゴールネットに吸い込まれた。
殊勲の2得点で一躍ヒーローとなった三笘は「スタメンから出ている選手たちが、あれだけタフな中でああいう状況を作ってくれたので、僕たちが試合を決められたと思う」と振り返る。そして「ベンチで見ていてチャンスは来ると思っていたので、しっかりと準備して、得点を決めて、勝つことができて本当に嬉しい」とオーストラリアを破ってのワールドカップ出場権獲得を喜んだ。
「今までの歴史も途絶えさせてはいけないと思っていました。今予選、僕自身はあまり試合には出ていないですけど、いろいろな先輩方や選手が結果をつないできてくれて今があると思っているので、僕自身としては日本の選手、スタッフ全員の力で勝ったと思っています」
三笘は昨年11月のオマーン代表戦でA代表デビューを飾り、左サイドを活性化。強烈なインパクトを残して日本代表の勝利を演出した。今年1月の中国代表戦と2月のサウジアラビア代表戦は負傷のため招集外となったが、4ヶ月ぶりの代表復帰となった一戦で森保一監督の信頼に見事な結果で応えて見せた。
「今日の試合でワールドカップが決まるので、そういったステージはなかなかないですし、今日結果を出さないと、価値を出していけないと思って、かける思いはすごく大きかったです。けど、やることは変わらないですし、試合への(準備の)持っていき方だったりも変わらないですし、そこまで緊張して入ったわけではない。いつもどおりやろうと心がけていました」
試合前には「この1試合にチームとしても個人としても命がけで戦おうと思いますし、日本代表として未来が決まる試合だと思う」という決意を口にしていたが、その言葉通りの準備と仕事ぶりには脱帽するしかない。まさに“必殺仕事人”と言えるパフォーマンスだ。
しかし、三笘には満足も慢心も一切ない。すでに視線はワールドカップ本大会に向けられていた。「(ベルギーで)世界の選手とやることで慣れと言うか、いろいろな選手と対戦することで自分(のプレー)にも幅が増えましたし、できることも増えました。自信は日本にいる時よりはすごく大きくなった」と手応えを感じる一方で、さらに上を目指す姿勢を明確にしていた。
「僕はまだ日本代表に定着していないですし、これからの1試合1試合、ベルギーでの試合、練習の1つひとつで成長していかないと(本大会でのメンバー入りは)厳しいと思っているので、またこれから始まる競争に勝っていけるようにしていきたいなと思います」
所属するロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズは現在ベルギー1部リーグで首位を走り、三笘は主に3-5-2の左ウィングバックとして起用されている。決して得意とは言えないポジションに挑戦しながら、武器に磨きをかけて次なるチャンスに備える。本当の戦いはこれからだ。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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